長かった夏休みが終わると、いよいよ受験勉強は実践モードに入る。夏休みを振り返って、勉強が計画通りに進み、一層やる気に燃えている受験生がいる一方、期待した成果が上がらず、不安感や焦燥感にさいなまれている受験生もいることと思います。しかし、過去を引きずる形で、いたずらに焦ったところで合格は望めません。ここは一つ、視点を切り替えて、試験日までの限られた時間を有効に使うことを勧めます。実践に即した受験対策に、効果的な一例を挙げると、入試に出題された過去の問題を活用した勉強法です。入試問題は、大学側の「志望者には、この程度の問題は解いてほしい」というメッセージでもあります。出題からそのメッセージを読み取り、十分に応えられなければ、合格は難しくなります。過去の問題はそれを知る大きな手がかりです。志望校もある程度の絞り込みを終えたこの時期は、ぜひとも、第一志望校−第三志望校の過去の問題を入手し?出題傾向(どんな問題が出題されるのか)?出題方式(記述式が多いか、選択問題が多いかなど)?難易度(どれくらいのレベルの問題が出題されるのか)?合格点(何点くらいとれば合格できるのか)を含めて、実践的な傾向と対策を練ってほしいところです。
「偏差値」や「大学合格実績」といった数字は誰にでも判断できる材料です。せっかく受験にコミットしているのですから、少しは「プロ」として腕を振るってみてはどうでしょう。自分自身の目で各学校の良さを発見するのです。それを基に、複数のなかから子どもに選択させるようにもっていくようにします。つまり候補となる学校は親が選ぶが、最終的な受験校は子どもが自分で決めたという形をとるのです。どんな学校に進んでも、入学後必ず一つや二つは不本意なことに出会います。そのときに、それを乗り越えられるのは、「自分が選んだ学校だ」という子どもの気持ちです。自分で選んだのであれば、自分の責任。他に転嫁することはできないから、なんとなく頑張れるものです。親に強制された学校では、そうしたときに壁を乗り越えられない、立ち止まってしまう、そうしたことがあることを知っておいてください。
「何をしても楽しくない」といった、気分が落ちこむ中学生・高校生たちは、自分の気持ちを自分がわからないし、またなかなか周囲の人に理解してもらえないかもしれない。「泣きたい気がする」と言う子どもたちも、自分の気持ちをわかってもらえないかもしれない。この飽食の時代に「何を甘えているのか」と言われる。「ホームレスでも頑張っている中学生・高校生がいるのに」と叱られる。学校に行っている。食べさせてもらっている。しかしそれは、皆がしてもらっているから「してもらっている」と感じない。そして心の絆がなければ、どんなにたくさんの物に囲まれても楽しくはない。何をしても楽しくないのは、怒りがあるから。誰も助けてくれない怒りがあるから。