結婚式は一世一代のイベント。何をやるのも自由だが、結婚年齢が上がった現在、三〇歳をすぎたカップルがこれをやっているのか……と思うと感慨深いものがある。だいたい「列席者を退屈させないこと」を目標に掲げているのが図々しいところである。新郎のウエルカムスピーチでも〈それでは皆様、パーティーをお楽しみください〉〈私たちなりのおもてなしを用意させていただきましたので、どうぞごゆっくりお楽しみください〉(『結婚式新郎・新婦あいさつと手紙』)のたぐいはもう定番の挨拶だ。「お楽しみください」なんて、プロの芸人さんでも、ほんとは口にしないのね。「お耳汚し(お目汚し)ですが、しばらくの間、ご辛抱ください」っていうのね、古いタイプの芸人さんは。と文句をいっても誰も聞きゃあしないだろうが(しかし、このくらいのこと身近な大人がいってやってもいいと思う、嫌われるだろうけど)、結婚式で本人以上に「盛り上がって」いる人はいないということは一応知っておきたい「常識」である。大切な彼や彼女のお祝いだと思うからこそ、参列者は万障繰り合わせて「出てあげて」いるのである。どれほど演出が優れていても、アットホームな雰囲気でも、結婚式は疲れる。どんなに二人を祝福していてもそうなわけ。結婚は「性と生殖の社会化」だから、そもそもが小っ恥ずかしいものなのだ。そこんとこだけ、どうぞお忘れなく。
海老の焼き物は、豪華な和食コース料理にはつきもの。ところが、「おいしいのはわかっていても、食べ方が難しそうだから手をつけない」と、見合いの席など周囲の目が気になって尻込みする人がいる。すでに包丁が入っていて食べやすくなっていることもあるので、遠慮せずに食べよう。包丁が入っていなくても、手でむいてしまってかまわない。包丁の入っていない鬼殻焼きの場合は、最初に両手を使って頭を折ってはずす。頭は皿に戻し、両手に持って右手で皮をむくが、尻尾はつけたままでもかまわない。むき終わったら、殻や頭は一か所にまとめ、身は箸で食べる。汚れた手は、おしぼりや懐紙で拭いてきれいにしてから箸を取ること。ただ、魚の身をほぐすように海老の身を箸で切ることはできないから、まるごと箸で取り上げてかじる。大口をあけて恥ずかしいというなら、左手や手に持った懐紙で口元を隠せばいい。伊勢海老などで、殻を割って半身にしてからたれを塗って焼いた……というような料理も、一口大に包丁が入っていなければ、手を使って身をはずしてもいい。だが、どんなときでも、食べるときは箸を使うのだけは間違えないようにしたい。
プライベートでも、電話を切るタイミングはむずかしい。ビジネスの電話ならなおさらだ。まず、おたがいが対等な関係の場合は、電話をしたほうから先に切るのが原則。しかしビジネスでは相手が目上、格上の場合は、相手を尊重して、自分から先につながりを切るようなことはしない。自分から電話をかけたとしても、相手が切ったのを確かめてから切ること。このときも、万が一切れていなかった場合のことを考えて、フックを指で押して音を立てずに切る。また、用件を話し終わってもすぐには切らないこと。「では、この件に関してはこうしましょう」と本題が終了したら、「それではよろしくお願いします」「お電話いただきありがとうございました」「それでは失礼いたします」などと終わりのあいさつを交わす。これはおたがいに電話終了を確認し合うサインのようなもので、このやりとりが終わってから、一拍おいてそっと切るくらいがちょうどよい。